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第15話
「眠り」の力
『日本人の5人に1人は、不眠など何らかの睡眠の問題を抱えている』と言われる時代です。「眠り」は人間が生きていくうえで欠かせないものです。では、どうして人間は「眠る」のでしょうか?
「眠り」は、日中の体の疲れを取るという面もありますが、眠っている間には様々なホルモンが分泌され、このホルモンの働きによって、人間の体は「再生」しているという面もあります。体の中で、古い細胞が新しい細胞に入れ替わる「再生」のためにも睡眠は欠かせないのです。だから、十分な「睡眠」がとれないと、体にはいろんな不調が出てきます。最近の研究によると、睡眠不足の人は血圧が高くなる傾向があり、血糖値も高くなるし、食欲が出すぎて肥満になりやすいという結果が出ています。これは、睡眠中のホルモンの働きが不足することから起きていることなのです。
「体内時計」という言葉を聞かれたことがあるのではないでしょうか。これは体の中のホルモンをいつ出すか決める働きもしています。昼と夜が逆転したような生活をして、この時計のリズムが崩れると、必要な時に必要なホルモンが出にくくなります。そうすると疲れが取れなかったり、体調が悪くなることもあるのです。この体内時計のリズムを整えるのに役立つひとつの方法が、朝日を浴びるということです。目の奥にある網膜というところに朝日を浴びさせることで、体内時計がリセットされる効果があると言われています。
よく「何時間ぐらい眠ればいいんですか?」と尋ねられるのですが、理想の睡眠時間は7〜8時間ぐらいじゃないでしょうか。でもこれは人によって違います。短時間の睡眠でいい人もいれば、長時間の睡眠が必要な人もいます。ナポレオンやエジソンの短時間睡眠は有名ですが、この人たちはよく居眠りをしていたという話もあり、それで睡眠時間を補っていたのかもしれません。長時間の睡眠で有名なアインシュタインは、10時間以上の睡眠がとれないと不機嫌だったと言われています。睡眠時間は短ければいいというものではなく、長いから悪いというものでもなく、それぞれの人によって違うので、睡眠時間にこだわる必要はないのです。ただ、毎日決まった時間に起きるようにして、睡眠のリズムを一定にしておくことは大変重要なことなのです。
お昼寝も、体にはすごくいいと思います。一日のリズムから考えて、午後1時頃が一番脳の働きが落ちる頃と言われています。だからこの時間は少し眠くなったりするのです。この時に30分程のお昼寝をすると、一時的に脳の疲れが取れて、午後からの脳の働きが随分と楽になります。あまり長く昼寝をしてしまうと、夜の睡眠に悪影響がありますので、仕事をしている人は、昼休みに30分程の昼寝が一番お勧めです。
「睡眠」を上手に取れると、体内時計が整い、脳にも体にもいいのです。でも「眠れないこと」ぐらいは、我慢しなければいけないと考える人がまだ多いようです。最近は、安全でよい薬もある時代です。無理に我慢するよりも、専門医に相談する方が良いのではないでしょうか。
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