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歌人 笹井 宏之さん



プロフィール
 本名筒井宏之。'82年、有田町に生まれる。身体表現性障害により高校を中退、自宅での療養生活を送りながら、21歳より短歌を作り始める。'05年に第4回歌葉新人賞を受賞、'07年に未来短歌会に入会、同年度の未来賞を受賞。'08年、第一歌集『ひとさらい』をBook Parkより刊行。'09年、自宅にて永眠。'11年、PARCO出版より『えーえんとくちから』、書肆侃侃房より『ひとさらい』『てんとろり』を刊行。
ブログ『些細』 http://sasai.blog27.fc2.com


    〈えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力を下さい〉
    〈水田を歩む クリアファイルから散った真冬の譜面を追って〉
     有田町に生まれ、26歳の若さでこの世を去った夭折の歌人・笹井宏之。病床で詠まれた彼の歌は、純粋でおおらかなやさしさと透明な哀しさに満ちていて、時に尖鋭に、時にやさしくいたわるように読む者の胸を打つ。
     幼少の頃からピアノを習い、独学でギターを始め作曲も行うなど、家族の影響で音楽に親しんでいた笹井さん。小学生の頃から原因不明の体調不良に悩まされ続け、やむなく高校を退学し自宅で療養生活に入る。彼を苦しめた病は身体表現性障害と呼ばれ、「自分以外のすべてのものが、ぼくの意識とは関係なく、毒であるような状態」(『ひとさらい』あとがきより)。寝たきりの状態が続き、著しく体力を消耗する作曲を諦めざるをえなかった。それに代わる自己表現の手段として選んだのが、短歌だった。パソコンや携帯電話を使い、佐賀新聞社の読者文芸欄やネットの投稿サイトで発表した作品は、第四回歌葉新人賞を受賞するなど歌壇で高い評価を得る。2007年1月に未来短歌会に入会し、翌年には第一歌集『ひとさらい』を刊行。短歌は宏之さんにとって「道であり、扉であり、ぼくとその周囲を異化する鍵」(『ひとさらい』あとがきより)だった。この頃から体調の改善が見え始めた笹井さんは、自動車免許を取得し、佐賀市のフリースペースで子供達に短歌や音楽を教えるなど、自らの足で世界を広げていく。しかし、今後の活躍が期待されていた矢先の2009年、笹井さんは外出後に体調を崩しインフルエンザを発症。多くの人々に惜しまれつつ、自宅にて26歳の短い生涯を閉じた。
     笹井さんの死後、その才能を惜しむ人々により追悼会が行われ、また歌集『えーえんとくちから』『ひとさらい』『てんとろり』が出版された。彼が日々の想いを綴っていたブログ「些細」は父の筒井孝司さんに受け継がれ、彼の遺作が故郷有田の風景とともに紹介されている。
    「宏之が亡くなる前の1年半くらいは体調の良い日も多く、よく二人で一緒にでかけました。しばらく閉じていた実家の窯を宏之と一緒に復活させる準備も始めていて、彼は自分の工房を構えて楽器を作りたかったようです。また、私の演奏にピアノで伴奏してくれたり、作曲をしたり、宏之は昔から音楽が好きでした。その音楽に代わる自己表現手段として選んだのが短歌です。彼の歌集を読むと、今でも作品の中に宏之の『音』を感じます。
     21歳で短歌を始めて以降、彼が生きていくこと、その芯となるものが短歌でした。宏之は短歌を通じて色々な人と繋がることが出来たと思います。彼が亡くなった後もブログ『些細』を通じて色々な方に彼の歌にふれてもらっていますが、その中には宏之の影響で短歌を始めた方もいらっしゃいます。ブログや歌集によって、宏之の歌の世界が広がっていくことが嬉しいですね」(筒井孝司)
     短い生涯を彗星のように駆け抜けた歌人・笹井宏之。その純粋な魂は今も輝き続けている。









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