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佐賀伝承遺産研究会 土師 俊資さん
    「佐賀の人たち、特に子供たちには故郷の素晴らしさを知って、それに誇りを持ってほしい。そのことが、将来的には佐賀の魅力的なまちづくりにも繋がっていくと思います」

      嘉永3年、日本で初めて製鉄のための反射炉を建設し、蒸気機関等を研究する精煉方を設置するなど、幕末から明治にかけての日本近代化の先駆けとなった雄藩・佐賀。安政5年には三重津海軍所を創設し、躁船技術を持った人材の育成に励むなど、ハード・ソフトの両面から日本近代化に果たした役割は大きい。しかし、昨年文化庁が「世界遺産暫定一覧表」に加えた「九州・山口の近代化産業遺産群」には前述の施設等は含まれておらず、文化庁からは遺産群選定の再検討が要請されている。
      そうした状況をふまえ、幕末佐賀藩の功績を顕彰し、日本近代化の先駆けとなった遺産群の世界遺産登録を目指すべく活動している市民団体がある。諸富町の土師俊資さんを中心として昨年4月に設立された「佐賀伝承遺産研究会」だ。同会は今年2月に国際産業遺産保存協会委員会事務局長のスチュアート・スミス氏らを招いて、幕末佐賀遺産の世界遺産入りの可能性を探る「世界遺産シンポジウム」を開催。シンポジウムには定員の200名を超える参加者が集まり、世界遺産登録に対する市民の関心の高さを示した。   「平成16年頃から九州・山口6県の自治体が共同で『九州・山口の近代化遺跡群』を世界遺産に登録すべく活動を開始しました。鹿児島の旧集成館や長崎のグラバー住宅などが近代遺跡として挙げられましたが、佐賀からは炭坑遺産として唐津の旧高取家住宅が挙げられたのみでした。しかし、日本の近代化の歴史は、そのまま鉄の歴史です。佐賀藩が日本で初めて建てた反射炉や精煉方といった施設が、世界遺産候補のリストに含まれていないのはおかしなことでしょう。そこで、今後はより多くのみなさんにこのような素晴らしい遺産があることを知ってもらい、世界遺産登録への気運を高めたいと思ったんです」
      佐賀高等学校を卒業した土師さんは早稲田大学史学科に進学、卒業後は佐賀県職員として県立図書館の郷土資料室や学校事務長などを歴任し、平成16年に退庁。昨年2月、福岡県田川市の炭坑遺産を訪れたスチュアート・スミス氏を川副町の三重津海軍所跡に案内したことがきっかけで、世界遺産登録への市民活動の必要性を実感する。そして同年4月、市の支援を受けて佐賀伝承遺産研究会を発足。官・学と協同して世界遺産登録への可能性を探るとともに、シンポジウムを行うなどして市民への啓発活動を進めている。
    「幕末の佐賀藩が他藩にさきがけて反射炉での鉄製大砲の鋳造に成功したことには、3つの要因があったと思います。まず1つは、伊東玄朴のような自然科学にも精通した優秀な蘭学者がおり、オランダ語のテキストを忠実に翻訳できたこと。2つめには、炉内の温度を上げるための耐火レンガに、有田の焼物窯の技術を応用したこと。そして最期に、地元に鉄の性質を熟知した優秀な刀鍛冶がいて、鉄の鋳造に協力したこと。当時最先端だったオランダの科学技術と、佐賀に受け継がれてきた独自の技術とを融合させたことが佐賀藩の雄飛につながり、結果として日本の近代化への流れを作ったのです」
      日本の近代化に対する佐賀藩の功績について、真摯な表情で語ってくれた土師さん。今後の活動指針について尋ねると、世界遺産登録への熱意と同時に、ふるさと佐賀への思いも語ってくれた。
    「佐賀は優秀な人材を多数輩出し、当時の文化遺産を今も残しています。また、日本有数の穀倉地帯として自然環境にも恵まれ、とても住みやすい街ですね。佐賀の人たち、特に子供たちには故郷の素晴らしさを知って、それに誇りを持ってほしい。そのことが、将来的には佐賀の魅了的なまちづくりにも繋がっていくと思います」









プロフィール
 昭和18年、旧満州通化省生まれ。佐賀高等学校卒業後、早稲田大学史学科に進学。卒業後は佐賀県職員として、県立図書館の郷土資料室や公立学校の事務長などを務め、平成16年に退庁。平成20年4月に、幕末佐賀遺産の世界遺産登録推進を目的とした「佐賀伝承遺産研究会」を設立。今年2月、佐賀市にて「世界遺産シンポジウム」を開催するなど、世界遺産登録への気運を高めるべく活動している。
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