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vol.192


Profile

   1978年、福岡県直方市生まれ。佐賀大学農学部熱帯作物改良学研究室在学中に「バラフ」研究に携わり、’07年5月、佐賀大学発ベンチャー企業として「株式会社 農研堂」を設立。県内6ヶ所の契約農家とともに、「バラフ」の生産・販売を行なう。



株式会社 農研堂 代表取締役
  下田 敏史  さん  - Shimoda Toshihumi -
このバラフ事業の成功が後輩の研究者達が自身の研究内容を生かして農業の道に進むための、ひとつの道標となれば嬉しいですね 」

  肉厚の葉や茎の表面を覆う、キラキラと光る無数の水泡。口に入れると、プチプチ、シャッキリとした不思議な食感と瑞々しさ、そしてほんのりとした塩味が口の中に広がる。まだ日本ではあまりなじみのないこの野菜、もともとは南アフリカ原産の植物「アイスプラント」を、佐賀大学農学部の研究開発により野菜化したもの。そのユニークな見た目から、スワヒリ語で「水晶」や「氷」を意味する「バラフ」という名前が付けられた。このバラフを安定的に生産販売し、佐賀の新たな特産野菜として普及させるべく設立されたのが、佐賀大学発ベンチャー企業「株式会社 農研堂」だ。県内6ヶ所の契約農家とともにバラフの普及に尽力しているのが同社の代表取締役を務める下田敏史さん。
  「独特の食感とみずみずしい味わいを持つバラフは、生のままサラダにしたり、料理の素材としてもおいしく食べられます。もっと多くの佐賀のみなさんにバラフの魅力を知っていただいて、今後は佐賀発のブランド野菜として全国にバラフを発信していきたいですね」
   下田さんは福岡県直方市生まれ。高校時代の生物の授業で植物に興味を持ち、佐賀大学農学部に進学。熱帯作物改良学研究室に入った3年生の時、当時研究が進められていたアイスプラントに出会う。
  「私達が研究室に入った当時は、中国内陸部などの塩類土壌地が、地球環境問題として一般的にも認知され始めた時期でした。私達の研究室では、アイスプラントの塩分吸収能力の高さに着目し、塩類土壌の修復技術への利用を目的に研究に取り組み始めました。’01年には、アイスプラントが野菜として利用できることにも着目し、野菜化研究を開始しました。地域農業活性化という観点から、アイスプラントを佐賀の特産野菜として普及させようという動きが出始めたのもこの頃です」
 下田さん達は、食用野菜としての食感や味わいを向上させたアイスプラントに「バラフ」と名付け、バラフ事業でのベンチャー農業法人立ち上げを構想。食品業界の関係者への試食会でも好評を得た。’04年4月、佐賀大学の「アイスプラントの佐賀県特産野菜化に関する研究」が、「先端技術を活用した農林水産研究高度化事業」に採択され、野菜としての栽培技術を確立。’06年10月には(財)佐賀県地域産業支援センターより「際立つ佐賀・ベンチャー創出支援事業」にも採択され、商品化へといっそうの弾みがつく。そして去年5月、下田さんを代表取締役として佐賀大学発のベンチャー企業「株式会社 農研堂」を設立、県内6ヶ所の契約農家でバラフの無農薬栽培を行なっている。
  「ようやく佐賀の特産野菜としてのバラフ栽培がスタートしましたが、まだまだ出荷量、認知度ともに低いのが現状です。さらなる生産量増加と品質向上を図り、佐賀特産野菜としてのブランド力を高めていく必要がありますね」
  自らの研究の事業化に成功し、バラフの特産野菜化を目指す下田さん。彼がバラフの事業化に尽力した背景には、研究者としてのあるひとつの思いがあった。
「私は、研究者としての成果を事業として取り組んでいます。このバラフ事業の成功が、後輩の研究者達が自身の研究内容を生かして農業の道に進むための、ひとつの道標となれば嬉しいですね」
※問い合わせは、株式会社農研堂 0952-20-1431 まで

※プロフィールなどの記述は「月刊タウン情報さが」掲載当時のものです。

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