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vol.191


Profile

   1939年、諸富町生まれ。県立中学校の社会科の教師を勤め、55歳で退職。僧侶としての活動のかたわら、’97年に全国の浄土真宗の僧侶らによって設立されたNPO法人「沙漠緑化アミダの森」佐賀県事務局を務め、募金活動や内モンゴル自治区への植林活動協力隊の派遣などを行う。



NPO法人「沙漠緑化アミダの森」佐賀事務局
  竜田 誠哉  さん  - Tatsuta Nobuya -
砂に埋もれてしまっても、しっかりと根を張り、再び砂の上に枝葉を伸ばすポプラ。その生命力には感動を覚えます。 」

  春先に九州の空を黄色く染める黄砂。中国大陸から飛来した黄砂は、私達の日常生活にも少なからず影響を与える。黄砂飛来の原因のひとつとして、森林伐採や家畜の放牧などによる草原や原生林の消滅・砂漠化が考えられ、問題解決のためには砂の供給源である砂漠地帯への植林活動が必要になる。現在、日中韓三国の政府レベルで黄砂問題解決のための取り組みがなされているが、民間でも砂漠緑化のための自発的な活動が行われている。そんな民間活動を行う団体のひとつが、全国の浄土真宗の僧侶らによって設立されたNPO法人「沙漠緑化アミダの会」。その佐賀県事務局を務めるのが、佐賀市諸富町・西蓮の僧侶・竜田誠哉さんだ。
  「私達は民間から有志を募り、『緑の協力隊』として毎年内モンゴル自治区の砂漠にポプラを植えています。協力隊として参加してくれたみなさん、そして私達を歓迎してくれる内モンゴルの人々、それぞれの間にも国を越えた交流が生まれます。人々の心の交流、そして少しずつ大きくなる緑の森を見るのは感慨深いものがありますね」
   「沙漠緑化アミダの会」の誕生は’97年。80年代から中国の砂漠緑化に取り組み、その活動が現地で高く評価されている農学博士・遠山正瑛氏に共感し、その活動を支援しつつ、独自の緑化活動を推進すべく生まれた。補助金などは一切受けず、市民からの募金のみで活動している団体だ。砂漠の環境に適したポプラの苗木を現地で購入し、毎年日本から派遣する「緑の協力隊」が植林活動を行う。参加者が自らの手で植林を行うことにより、砂漠化の問題を現実のものとして認識し、環境意識を高めることにもなる。また、苗木を現地で購入し植林活動に住民を雇うことにより、現地の住民に働く場と現金収入を提供する仕組みも出来上がっている。竜田さんは10年前から「緑の協力隊」の引率と指導を行い、砂漠の緑を広げてきた。
  「私達の植林活動を現地の子ども達も手伝ってくれるんですが、彼らは本当に一生懸命に仕事に取り組んでくれて、その姿には心打たれます。でも、こども達の中には学校に行きたくても行けない子もいるんですよ。私達が苗木を現地で購入する、そして植林活動に現地の人々を雇うことで、彼らが学校へ行くための支援ができればと思っています。また、日本の子ども達にとっても、内モンゴルでの生活は心に大きな変化をもたらしてくれるようです。不登校や家庭内暴力に陥っていた子どもが、大自然の下での植林活動や現地の子ども達との心の交流を通じて、別人のような素直な子に生まれ変わったこともありました」
 こうした民間での植林活動が一定の効果をあげている一方で、牧草の根を食い尽くす山羊の大量飼育といった新たな問題も内モンゴルで生じている。山羊の毛は、カシミヤの原料として日本を初めとした先進諸国からの高い需要があるのだ。砂漠化をはじめとした環境問題を次の世代へと残さないため、これからは政治と民間、双方での取り組みが今まで以上に必要となるだろう。
  「日々変動する砂漠ではせっかく植えたポプラが砂に埋もれてしまうこともありますが、それでもしっかりと根を張り、再び砂の上に枝葉を伸ばします。ポプラの生命力には感動を覚えますね。私達『沙漠緑化アミダの会』は、メンバーの高齢化のため、残念ながら平成23年をもっていったんその活動を休止する予定です。私達の後をうけ、さらに緑の森を広げてくれる人達を探すのが、これからの私の仕事ですね」

※プロフィールなどの記述は「月刊タウン情報さが」掲載当時のものです。

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