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No.178


Profile

 1956年有田町に生まれる。成蹊大学卒業後、深川製磁株式会社に入社。東京支社で営業職を務めた後、平成元年佐賀に戻り窯芸本部に所属、新製品の企画・開発や工場の統括などの業務に従事する。現在、インテリア関連商品の開発、また、イタリア・ミラノスタジオの企画・運営にも携わる。


若者たちへの
メッセージ

「私は焼物を通して世界と出会い、客観的に日本を見ることができました。世界で高く評価される日本の焼物文化を、私自身とても誇りに思っています。みなさんも広い視点で物事をとらえ、自分の進むべき道を探してみて下さい。自分が誇りに思える道が、きっと見つかるはずです」


深川製磁株式会社取締役 窯芸本部長
 深川 泰 さん  - Yasushi Hukagawa -
「ヨーロッパで高い評価を受ける日本の陶磁器。焼物作りを一生の仕事にできることを、誇りに思います」

日本国内のみならず、世界にその名を轟かせる有田の焼物。オリエンタルテイストあふれる有田焼は、遠く江戸時代から欧州をはじめ世界中の人々を魅了し続けてきた。数ある有田の窯元の中でも、初代から受け継がれてきた技術と精神を継承しつつ、時代に則した柔軟性を持った焼物作りで各界から注目を浴びているのが、宮内庁御用達の窯元としても知られる深川製磁だ。その高いデザイン性と海外への事業展開をはじめとする先進性の高い企業姿勢を評価され、深川製磁は日本産業振興会が主宰する「2006年度デザイン・エクセレント・カンパニー賞」を、佐賀県内の企業としては初めて受賞した。初代・深川忠次の曾孫・深川一太社長の下、デザイン性と使いやすさを両立させた製品を作り続け高い評価を得る深川製磁の職人達。その職人達を束ねつつ、新製品の開発・新事業の展開を通じて深川製磁に新たな息吹を与え続けているのが、窯芸本部長として工場を統括する深川泰さんだ。
 「私達が作る磁器は、あくまで初代・深川忠次の芸術思想を表したものなんです。初代から受け継いだ技術と精神をベースに、その上で時代のニーズに合わせた使いやすさをプラスしてデザインする… 今回の受賞は、そんな企業姿勢を評価していただいた結果だと思います」
 明治33年にパリ万博に数々の作品を出展し、最高名誉のメダーユドールを獲得した深川製磁。「日本が誇る優れた陶磁文化を世界に発信する」、それは、初代が掲げた重要な企業理念だった。その理念を受け継ぎ、深川製磁は現在も積極的に海外へと事業を展開している。そのさきがけとも言えるのが、昨年イタリア・ミラノに立ち上げた「ミラノスタジオ」だ。
「ヨーロッパの人々は昔から東洋文化を『おしゃれで格好良いもの』として、日常の中にもオリエンタルな品々を取り入れてきました。日本食の人気を受けて、茶碗やお皿といった日常遣いの陶磁器も向こうでは高い評価を受けています。ミラノスタジオで開催した絵付けのワークショップでも、現地のアーティストをはじめ多くの人々に参加いただき、たいへんユニークで芸術性の高い作品が出来上りました。こういった活動を通して、ミラノの人々がさらに日本文化に親しんでくれたらと思います」
 ミラノに活動の拠点を築いた深川製磁は、2006年4月に開催された世界最大のインテリア見本市「ミラノサローネ」に出展し、本格的にインテリアの分野への進出を始めた。今年も、初代が作ったアールヌーボの花瓶をリメイクした照明器具や、イタリアの家具メーカーとのコラボレーション作品などを出品する予定だ。
「初代・深川忠次は製品をヨーロッパに輸出する際、代理店任せにせず、自らかの地へと赴いて深川製磁の製品をPRしました。私達も初代にならい、ヨーロッパに乗り込むことでより深くその風土と文化を感じたい。そこから新しい発想が生まれ、当社の製品にもフィードバックされると思うんです。また、宮内庁御用達の窯元ということで、当社の製品に対して『敷居が高い』というイメージを持つ方もいらっしゃる。『インテリア』というより間口の広い分野に挑戦することによって、若い方も含め、お客様が深川の製品により親しみを持っていただけたら嬉しいですね」  海外へ、そして次代を担う新しい世代へ向けた陶磁文化の発信。初代から受け継いだ伝統を守りつつ、常に時代の先を見続ける深川さんの瞳には、有田の陶磁文化を担う者としての使命感があふれていた。

※プロフィールなどの記述は「月刊タウン情報さが」掲載当時のものです。

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