「タウン情報さが」トップへ 株式会社西日本情報センター
849-0928 
佐賀県佐賀市若楠3-1-15
TEL 0952-33-3155
FAX 0952-33-3166
月刊タウン情報さが
tjsaga.co.jp を検索 WWW を検索
トップ>佐賀の人
No.001〜050のリストへ   No.051〜100のリストへ   No.101〜150のリストへ   No.151〜のリストへ

No.172


Profile

昭和4年生まれ。昭和41年に福岡県中洲にある「河太郎」に入社、主に仕入れを担当する。昭和48年に呼子町のフェリー発着所前に「呼子 河太郎」を開店、「イカの活き造り」が一躍人気を呼ぶ。その後多くの専門店がオープンし、呼子が「イカの町」として定着するきっかけとなった。


若者たちへの
メッセージ

「仕事を愛し、人を愛す。自分の仕事はもちろん、周りの人々にも、心配りと思いやりを持ってください。自分のことよりもまず、人の立場になって、人の気持ちを考えることが大切です」


呼子 河太郎 代表

池田 末夫  さん  - Sueo Ikeda -

最初は不安もありました。でも、やはりお世話になった呼子の町に何か還元したかったんですよ。

 呼子町の名物として全国的に有名な「イカの活き造り」。透明な身を噛みしめる度に感じるしっかりとした歯ごたえと自然のままの豊かな甘味は、まさに漁師町・呼子でしか味わえない特別な味わいだ。そのイカの活き造りを考案し、呼子で初めて提供したのが「呼子 河太郎」代表の池田末夫さん。「イカの町」として呼子の名を全国に知らしめた最大の立役者とも言える池田さんだが、決してその功績を誇ることはなく、「自分はあまり表には出たくない。本当は写真も遠慮したい」といたって謙虚だ。
池田さんが福岡の中洲にある河太郎で働き始めたのは昭和41年。当時から天然の活魚が食べられる店として評判だった河太郎だったが、同じような店が乱立し始めたこともあり、仕入れを担当していた池田さんは新たな仕入れルートを探す必要に迫られた。
「河太郎」では常に天然の活魚を仕入れていたのですが、福岡だけでは無理が生じてきました。そこで、海産資源が豊富な呼子に目を付けたんです。当時の呼子は今と違って交通の便も悪く、仕入れも大変でしたが、呼子から仕入れるようになって初めて、活きた魚が揃うようになりました」。
池田さんは呼子から中州への仕入れルートを確立し、呼子直送の新鮮な海の幸は中州の河太郎でも評判となった。折しも呼子港フェリーの発着所が完成し、観光面での町おこしに尽力していた町は新たな観光の柱を探していた。そこで白羽の矢が立ったのが池田さんだった。町長や漁協の長に請われ、池田さんは世話になった町のために人肌脱ぐことに。「交通の便も良くないこの町に観光客がやってきてくれるのか、最初は不安もありました。しかし、やっぱり新鮮な海の幸は、獲れた土地で新鮮なまま食べて欲しい。それに、お世話になった呼子の町にも何か還元したい。そこで、中州でも人気があったイカの刺身を呼子で出そうと思ったんです」。
当時のイカは他の魚に比べて単価も安く、漁師からも敬遠される存在だった。「本当にイカだけで商売になるのか?」という声の中、昭和48年、池田さんは呼子フェリー発着所のそばにイカ料理専門店「呼子 河太郎」をオープンさせる。「当時のイカは値段も安く下魚と言われてましたが、漁師達が生簀から獲ったばかりの新鮮なイカを刺身や天ぷらで食べているのを見て、これならいけそうだ、と思ったんです。そこで、最初に店のなかにイカが泳ぐ生け簀を作りました。店で出すイカも、ただの刺身では面白くない。そこで魚の活き造りと同じような形でイカの足の上に身を乗せて、イカが泳いでいるままの姿で器に盛ることを考えました。刺身だけではお腹に足りないと思い、ゲソも天ぷらにして食べてもらうことにしたんです」。
イカの活き造りの魅力に最初に気が付いたのは、農協や漁協、そして原発関連の企業体の社員といった、観光目的ではない客達だった。彼らが口コミで活き造りの魅力を伝えることで、呼子のイカの評判は全国に広まっていった。「最初は企業のお客さんが多かったんですが、徐々に一般の観光客も増えていきました。最初は活き造りを専門で出す店もウチ一軒だけで、オープンから8年後に2つ目の店ができて、呼子大橋が出来た頃から店が増え始めましたね。その後の呼子の隆盛はみなさんご存知の通りです」。
イカの活き造りを目当てに年間百万人ともいわれる観光客が訪れる一大観光地・呼子。その最大の立役者として必ず名前が挙がる池田さん。客がひっきりなしに訪れる店内を見渡すその瞳には、活き造りに舌鼓を打つ人々の、嬉しそうな笑顔が映っていた。

※プロフィールなどの記述は「月刊タウン情報さが」掲載当時のものです。

Copyright All rights reserved. NISHINIHONINFORMATION CENTER CO.LTD.