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No.165


Profile

昭和9年、佐賀市出身。佐賀高等学校卒業。日本いけばな協会特別会員。各方面で講師を務める。86年から舞台美術も手掛け、数々の舞台・ステージを手掛けてきた。『さぎんニューイヤーコンサート』では、指揮者 大町陽一郎氏との音楽と花のコラボレーションが毎年好評を得ている。


若者たちへの
メッセージ

佐賀のことを他人事だと思わないでほしい。
大人が豊かさに慣れすぎて、自分本位の考え方の人が増えているような気がします。その子供たちの事が心配でなりません。他人のことを思いやれるような子供になるような土壌をつくっていきたいです。厳しい現実の中でも逞しく育っていけるような人間になってほしいから。


草月流華道家

前田 星萌 さん

家族の笑顔を第一に考えてきました。穏やかで平和な心からいい作品は生まれてきますから。

 華道家。その響きからは、何か人を寄せ付けないオーラを放っているイメージがあるが、ご本人は、花のように可憐で笑顔が絶えない素敵な女性である。

 人生の大半の年数を華道と共に生き、極めてきた前田さんは、花を通して故郷佐賀を元気づけていきたいと心から望んでいる一人だ。「小さい頃から、何かを作るのが大好きで。工作という授業のときに竹籤を使って船を造る課題があったのですが、途中で壊れても挫折せずにやり遂げました。とことんやってしまうんです。小さい頃の諦めない気持ちは、今も生きていると思います」。

 華道を始めたのは20歳の時だった。それから数年後、ウインドウに薔薇だけが飾られているのを見たときに感動を覚えたという。それが、草月流との出逢いだった。「薔薇一種類だけだったのですが、それはそれは素敵で…。薔薇一つでも自由自在に表現を変化させることができる素晴らしさを知りました」。 そもそも、草月流とは、数ある流派の中でも自由性に富んだ表現が重視される。花そのものを活けるというよりも、周りの環境も含めて、それに合う構成を組み表現するという特徴がある。前田さんは、草月流で学んだ基盤をさらに新たな世界へと開花させていく。それが舞台美術だった。花や木を使った壮大なセットは、多くの人々を感動させ、数々の成功を収めていく。評判を聞き、色々な声がかかるも、あくまでも前田さんのベースは家庭。「一番大事なのは『心』。いい花を生けるには自分の心が穏やかで平和な気持ちじゃないといいものはできません。自然との対話を通して自ずと作品ができあがるんです。だから私は、第一に家庭の調和を考えて過ごしてきました。家族が心地よく過ごせるように考えて、自分の創作活動を続けてきました。不満を持ってぶつかり合っていたらいい作品は生まれませんよね」。

 「華道家は何もかも投げ捨てて創作に没頭するのでは?」という浅はかな先入観は、前田さんの表情を見たら打ち砕かれた。心に訴える作品は、まず心がいい状態でないといけない。前田さんの作品には、鳥肌が立つほどの気迫が感じられる一方で、とても安心感を感じさせる。普通の主婦として、母としてきちんと自分の立場を全うしてきた自信と、家族や人間への愛情が満ち満ちている。普通の感性をきちんと持っているところが共感を呼ぶのだろう。3人の子どもさんも独り立ちし、前田さんのビジョンは家族の枠から故郷佐賀の発展へと広がりをみせている。「私たちが産まれ、子供達が育った佐賀を失いたくないですから。佐賀に住んでいる人が住みやすく、大好きになるような街づくりができたら。お花を活けることがきっかけになるのなら、どこにでもご奉仕したい。多くの人で賑わっていたあの頃の人情味あふれる佐賀にしていきたいですね」。

※プロフィールなどの記述は「月刊タウン情報さが」掲載当時のものです。

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