「タウン情報さが」トップへ 株式会社西日本情報センター
849-0928 
佐賀県佐賀市若楠3-1-15
TEL 0952-33-3155
FAX 0952-33-3166
月刊タウン情報さが
tjsaga.co.jp を検索 WWW を検索
トップ>佐賀の人
No.001〜050のリストへ   No.051〜100のリストへ   No.101〜150のリストへ   No.151〜のリストへ

No.159


Profile

大正9年11月、浜玉町生まれ。戦後、満州から引き揚げて、40年ほど前に「かどや」を開業。唐揚げの店として、地元のみならず福岡からも常連客が訪れる店に。
 
●かどや食堂
唐津市浜玉町平原117
TEL/0955-56-7080
営/16:00〜22:00
休/月曜


若者たちへの
メッセージ

特別若い人に向けて言うことは何〜もなか。でも、人生の中で「これ!」ちゅうもんば見つけたら、強かね。あと、人は大切にせんば!


「かどや」店主

脇山 カホル さん

「座っとくだけでんよかけん、ここにおらないかんさ」
て言うてやらす。
揚げる事が元気の素よ。

 気温32度。真夏日が続く中、コンロの前に立ち、一心に唐揚げを揚げる脇山カホルさん。その姿があまりに手慣れた様子で、80歳をゆうに超えていることを全く感じさせないほど。

 唐津市浜玉町の市街から車で10分ほど。みかん山や畑が広がる丘陵地帯を走る道路の角に立つ飲食店、その名も「かどや」。今から約40年ほど前、店主の脇山カホルさんがご主人と共に創業した店だ。テーブル2卓と小さいカウンターくらいのスペースに、ボトルキープされたお酒が200本近く並ぶ。小さなスペースにこれだけのボトルを置く程、常連客の心を離さないのは、カホルさんが揚げる唐揚げにあるのだ。

 「戦争終わって、満州から引き揚げてからは働きに出よったトヨ。そいばってん、体壊してどうでんできんごとなって、店ば始めたトヨ」。

ご主人と二人で始めた頃は、うどんや回転焼きなどを出していた。それが、仕事帰りに立ち寄るお客からのリクエストに応えて唐揚げを揚げていたら、予想以上の注文に
 「回転焼きの焼かれんくらい、忙がしゅうなった」。

 そこで、回転焼きを辞めて唐揚げ中心の店になった。二人三脚で歩んできた店も、17年前にご主人が他界してからは、カホルさん一人で切り盛りしてきた。84歳を迎えた今でも、自らコンロの前に立ち大きな唐揚げを揚げているこの唐揚げ、特大・大・中と3種類あるが、大で優に大人の手の平を超えるほどの大きさで、特大ともなると、人の顔くらいの大きさにもなる。常連客は、これを取り分けたり、ガブッとかぶりついたり、持ち帰って家で食べたりする。

 「サイズは大体の目分量よ(笑)。鶏肉は近所の肉屋から仕入れる。味? 普通に塩コショウして寝かせておくト。甘かったり辛かったりするけど、おいしかと思う人が来てやらしたら、そいでよか。よその店の味はどがんでんよか!」。

 見せられた肉はとにかく大きい。故に揚げ上がりまでに15分くらい要するという。その間、おばちゃんは、洗い物をしたり、注文を確かめたり、火元から離れて他のことをしていることも。「揚げ物の時に火から離れるなんて」と心配そうにしているのを察したのか、
「おばちゃんは遠くにいても、わかるんですよ。『もうそろそろやなか?』って指示が来るんです。それが長年のカンでしょうね」
と、カホルさんをしっかりサポートするスタッフも感服する。

  長年培ってきたプライドと築き上げた技はお客さんをひきつけて止まない。地元浜玉最大の祭り「浜崎祇園祭」の時には、100を超える注文が入り、3つのコンロに目を光らせ、ひっきりなしに揚げ続けることも。クリスマスのときも噂を知る客がかどやの唐揚げを是非と、買いにやって来る。

 「お客さんが来てくれることが楽しか。唐揚げを揚げるのは、私の生き甲斐よ。『おばちゃんは、座っとくだけでもここにおってくれんといかん』てお客さんの言うてやらす(笑)」

 いつも笑顔。この笑顔が唐揚げにいい旨味を加えているのだ。



※プロフィールなどの記述は「月刊タウン情報さが」掲載当時のものです。

Copyright All rights reserved. NISHINIHONINFORMATION CENTER CO.LTD.