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No.156


Profile

昭和20年中国生まれ。神奈川県で育ち、結婚後佐賀へ。高校の非常勤講師を務めるかたわら、知的障害者作業所「かささぎの里」の運営に携わる。社会福祉士の資格を取得し、平成6年に「宅老 寄方」を開所。その後佐賀市内に宅老所、託児所を開所していく。平成11年、NPO法人「たすけあい佐賀」を設立。よりよい介護福祉の実践および啓蒙活動を続ける。


若者たちへの
メッセージ

福祉の世界をのぞいてみませんか?福祉はみんなの幸せのためのものです。お年寄りとかかわってみることは、やってみないとわからないおもしろさもあります。ぜひ、機会を見つけて福祉を体験してみてほしいですね。


NPO法人 たすけあい佐賀代表 社会福祉士

西田 京子 さん

自分ひとりが幸せでも
それは本当の幸せではない
社会のみんなが幸せに暮らせる
みんなのための福祉を実現しましょう

 高齢者福祉のありかたが論じられる中で、お年寄りやその家族の一人一人異なるニーズにこまやかに対応する「小規模・多機能」型の介護の必要性がとりわけ叫ばれている。今回お話をうかがった西田京子さんは、10年以上前に「宅老」というスタイルでの介護サービスをスタート、当事者中心の介護を追求してきた。最近県内でも増えつつある宅老介護のパイオニアである。

 訪問した佐賀市長瀬町の「宅老所ながせ」は、普通の民家を改造した施設。ダイニング、居間、和室と生活感のある部屋がそのまま残り、アットホームな雰囲気だ。

「病院に行くと、家とは違う違和感を感じますよね。その違和感が認知症の方の症状をひどくしてしまう場合もあるようです。認知症の方が多くいらっしゃいますが、ここだとその違和感がないでしょう」。

 宅老所を始める前は、知的障害者の作業所の運営に携わった西田さん。

「『福祉』を広辞苑などで調べると“みんなの幸せのためのもの”と書いてあるんだけど、障害者福祉なら障害者だけみたいに特化されている。特化された人が施しを受ける、嫌な言葉なんだけどいわゆる“措置”のような、“してあげる”っていう世界だったんです。おかしな世界だなあと、その時に強く感じました。だからもっと自分たちの福祉を実現したい、困ったときに誰でも活用できる場所を作りたいと思いました」。

 その志が形となり、平成6年に、仲間の自宅の一室を使うという形で始めた「宅老 寄方(よいかた)」。画一的な介護方法のお仕着せでなく、個々のお年寄りの個性や生活スタイルに合わせた介護を目指し始める。当時、県下では例のない試みだった。

「施設があってそこにご利用者をあてはめるのでなく、まずご利用者がいて、その希望に合わせてスタッフが手をさしのべるという形です。ここに住んでいる方もいれば通う方もいるし、自宅にヘルパーを派遣することもあります。お年寄りに一斉に何かをしてもらうこともなく、好きなように過ごしていただいています」。

 お年寄りの思いに沿った介護が、当人そしてその家族、ひいては当事者を含めた社会全体のよりよい暮らしの実現につながる。

「それがさきほど言った本当の福祉、社会のみんなのための福祉です。つまり幸せの追求ですね。自分ひとりが幸せでも、それは本当の幸せじゃないのでは」。

 平成11年、NPO法人「たすけあい佐賀」を設立。現在、佐賀市内に宅老所6ケ所、託児所1ケ所を運営する。最近では佐賀県が宅老施設の充実に重点を置き始め、先駆けを為してきた西田さんたちの活動の志とノウハウが各所から求められるようになった。『困った時はお互いさま』の合言葉を胸に、西田さんは介護活動、講座や講演にと忙しく飛び回る。

「十年先、二十年先を考えると、また違う新しい介護のスタイルが必要になってくる。現状が一番良いというのでなく、常に最良の形を考えながら活動していかなくてはと思います。本当にみんなが幸せになれるような社会の仕組みづくりを、一人一人の中で考えて行なっていきたいですね」。



※プロフィールなどの記述は「月刊タウン情報さが」掲載当時のものです。

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