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No.150


Profile

昭和21年9月、太良町竹崎生まれ。20歳の時、当時仲買業をしていたご主人と結婚。30歳の時に旅館『海上館』を始める。
3人の子供を育てながら旅館を切り盛りし、現在に至る。海沿いにある同旅館は、部屋や風呂から観る有明海の景色、竹崎かにをはじめとする地元産の食材で作った料理、何よりアットホームなもてなしが人気。


佐賀の若者たちへの
メッセージ

「我が子にも従業員にも言っているのですが、「物の無駄、時間の無駄、人生に無駄なことは何一つない」ということ。これは、私が子供の頃、母親に言われたことでもあります。小学生の頃から家事を手伝い、母のすすめで生花を習ってきたことが、今すごく役に立っているんです。若いときは、いろんな経験をしておけば、後にきっと人生の役に立つと思いますよ。」


海上館 女将

坂口 鶴子 さん

女将としての自信なんて、30年たってもまだまだ。
最近やっと、お客様に『いかがでしたか?』の
一言がスムーズに出るようになったんですよ

 有明海を望む海辺に位置する『たら竹崎温泉』。13軒ほどの旅館が点在する中、海沿いにその旅館はある。『海上館』、部屋や風呂からは名の通り、まさに海の上にいるような水平線が見渡せる。

「太良町の一番好きなところは、毎日変わる海の表情を観ることができること。昨日は水平線が弧を描いて、“地球の丸さ”を実感しましたし、今日はうっすらと雲がかかって縦の広がりを感じます。58年この町で暮らしていて、一日たりとて同じ海は見ないんです」とは、女将歴二十八年の坂口鶴子さん。おおらかな笑顔とさりげない身のこなしがまさに女の将、“母親”のような温かみを感じる。

 太良町で生まれ育ち、20歳で結婚。当時は仲買業をしていたが、「子供たちに何か残せる仕事を始めよう」と、昭和51年、夫婦で旅館業を始めた。

「始めは、食べていくのが精一杯。部屋も10しか作らず、板場にも私が立っていました。近所の人に手伝いにきてもらって、そのまま仲居もしてもらったり。アットホームなんていう洒落た言葉ではなく、家に遊びに来た大切なお客様を家族がもてなしている、そんな感じでしたね」。

 その『家族のような温かいもてなし』の心は、規模の大きくなった今でも、しっかりと残っている。料理は、太良町名産の竹崎かにはもちろんだが、全て地元の食材でそろえるのが基本。おふくろの味のような、同じ食材を違う形で調理する『才』も、今の板場にもしっかりと受け継がれている。従業員に対しては“今、貴方にとって一番大切な人を招いた時と同じようにお客様におもてなしをしなさい”が口癖と言う。だが、何より温かいのは、坂口さん自身が旅館を自らの家として手をかけているからだろう。

 6年前に全館をリニューアルして以来、毎年手を加え、花木を植えるのはもちろん、雑貨ショップやキッズルーム、最近ではDVDが楽しめるシアタールームも考案。また、海上館の海が見渡せるオープンデッキ風のカフェテラスのコーディネイト、テーブルクロスやお客様が召されるちゃんちゃんこに至っては、女将さん自ら針を持つ。

 そして、女将さんにとって旅館が“家”であるなら、そこにいる従業員は“家族”。三人の子供はもちろん、従業員全員に目をかけ、手をかけ、心をかける。時に叱咤しながらも、大切に育ててきた。

 「私自身、女将としての自信なんてまだまだありません。でも、従業員にも恵まれ、最近になって、本来の女将業らしいことができるようになりました。一日中フロントで過ごすこともあり、今日は何が待っているだろうと思うと、毎日がワクワクします。旅館はお客様にとって、カニと同じで、中を開けてみなければどんなものか分からない。満足していただける、海上館ならではのもてなしをこれからも続けていきたいと思います。

 目標は、“家族的な雰囲気がいいね”と、お客様の方から言っていただくような旅館にすることです」



※プロフィールなどの記述は「月刊タウン情報さが」掲載当時のものです。

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