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No.113


Profile

昭和17年2月1日、北茂安町生まれ。佐賀高等学校〜東京農業大学醸造科へ。卒業後、2年間広島の日本食品に勤めた後、家業の天吹酒造へ。33歳の時、10代目として社長就任。高度成長期、時代の転換期と、世の中の変化に合わせてよりよい酒造りに携わり、現在に至る


若者への
メッセージ

「例えば、70年生きるとして、働く時間というのは、人生の半分以上あるわけです。ですから、その仕事は、是非、好きな仕事を選んで欲しい。また、それができなければ、自分の仕事を『趣味』と言える位好きになって欲しい。そのためには、やはり勉強が大切。高校や大学でさまざまなことを学んでこそ、好きな仕事がやれるようになるし、仕事が好きになれるのですから。好きなことに取り組むのに苦労はありません。喜びだけです。」


天吹酒造合資会社 代表

木下 武文 さん

地元の水と米を使った酒だから・・・
『陽気に飲む酒 うまい酒〜♪』

 南に筑後川、北に脊振山系をのぞむ自然豊かな北茂安町。この土地で、元禄時代から三〇〇年という歴史を刻んできた、地元でも有数の造り酒屋『天吹酒造』。実り豊かな佐賀平野で収穫された米と、脊振山系の伏流水で造られた酒は、“まろやかできめ細やかな味わい”と、多くの人々に親しまれている。そんな天吹の酒をこよなく愛し、先人達の努力を受け継ぎながらも、時代に合わせて現在の天吹酒造を築き上げた、10代目・木下武文さん。

 幼い頃から遊び場はもっぱら酒蔵。酒と共に育ち、10代目に就任したのは33歳の時だった。

 「3人兄妹で男は私一人でしたから、子供の頃から何となく跡を継ぐという意識はありました。でも、酒造りに対する意欲や責任を感じ始めたのは20代半ば頃。大学を卒業し、2年間広島で卸会社に勤め、こっちに帰ってきてからでしたね。会社を任されるようになってからは、ラベルを変えたり製造設備を整えたりと、自由にやらせてもらいました。もちろん、天吹の味の根本は受け継いでいきましたが、時代はちょうど高度成長期。試行錯誤しながらも、いいと思ったものはどんどん挑戦し、取り入れていましたね。何にしても、やってみないと結果は出ませんから。」

 5年前から取り入れた合鴨農法もその『挑戦』の一つ。合鴨米は、農薬や除草剤、化学肥料を一切使わないため、体にいいとされてはいるが、合鴨の世話や田圃の管理等、かなりの手間暇がかかってしまうのが難点。だが、木下さんはあえてその方法での酒造りに取り組んだ。

 「数年前から、健康志向が強くなったこともあり始めたんです。種蒔から手作業で行い、田植えは社員総出で行いました。カモも雛の時から毎日声をかけて餌を与えて…。管理は確かに大変ですが、カモたちもよく働いてくれて。今年もおかげで見事な酒米が出来上がりましたよ。」

 また、最近では花から分離した酵母で日本酒を醸造する技術も開発した。これは、九州では初めての取り組みだと言う。

 「二男の大学時代の教授が開発した酵母分離技術を紹介してもらったことがきっかけで始めたんです。これまでの酒と比べて香りが華やかで、やわらかい味。日本酒が好きな方はもちろん、若い世代や女性の方にもおすすめしたいですね。」

 伝統を残しながらも、時代に合った酒造りに取り組む木下さん。『若い感覚も大切』と、常務である長男や製造部長である二男の意見も尊重し、親子で、そして会社一体となり、今日もまた天吹の味を作り続けている。

 『陽気に飲む酒 うまい酒♪〜』

 天吹の酒のまろやかさは、木下さんと、酒造りに関わるスタッフの関係そのものなのだ。



※プロフィールなどの記述は「月刊タウン情報さが」掲載当時のものです。

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