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No.092


Profile

昭和41年12月、相知町生まれ。長崎・青雲高校卒後、慶応大学経済学部へ。卒後、東京で証券会社に3年勤務した後、父の跡をつぎたいと帰郷。2年間酒蔵づくりの勉強をし、平成9年から小規模ながら酒造りをはじめる。


20代の
若者たちへ

佐賀県のお酒って、今全国でも注目を浴び始めているんです。自然の風土と恵まれた環境の中で造られているお酒ということで。一般的に評価の高い東北のお酒は、淡麗の辛口が多いのですが、最近は少し味わい深いタイプの酒が流行ってきているんですよ。佐賀県の酒の特徴としてはやや甘口ですから、これからさらに注目を浴びてくるのではと期待しているのです。日本酒といえば、どうしても古くさいとか親父くさいというイメージが強いのですが、純米酒とか吟醸酒といった高級な日本酒をグラスに注いで少しずつ上品に飲むと、それだけでもかなりおいしさが違ってくるんです。熱欄にしてとっくりとおチョコで飲むのもいいですが、冷やしてグラスで飲む、これはおすすめです。和食だけでなく、幅広い料理に合いますよ。飲み過ぎないように上品にゆっくり、楽しみながら飲んで欲しいですね。


小松酒造株式会社

小松 大祐 さん

品質第一に細々と

 「酒蔵を閉めようと思う」。父親のこの一言が小松大祐さんの人生の転機となる言葉となった。

 相知町にある小松酒造の一人息子として生まれた小松さん。しかし父親は「跡を継ぐことは考えず、自分の道を歩め」と小松さんを東京の大学へと進ませた。卒業後、東京で大きな証券会社に動めるようになった小松さんは、日々の「会社の歯車の一つ」でしかない自分の仕事に、小さな抵抗を感じていた。「これは自分の生きる道じやない。自分はもっと自由に、自分の考えでのびのびとできる仕事の方が合っているのではないか」。そう思い始めていた矢先の父親の冒頭の言葉に、小松さんは佐賀への帰郷を決めた。

 「その時は、会社のことも知らず、酒についての知識もない。ただ、何とか会社を再建し、小松酒造を陽のあたる舞台に立たせたいなという思いだけだったのです。既に酒造りはやめていましたから、従来のように、冬場に人を雇って造ってもらうだけの費用はありません。だったら、自分が勉強して造れば人件費もかからずにできる、そう思ったんです。酒造会社は、社民(技術者)と資本家は別というのが普通です。こんな型破りな方法は稀で、もちろん佐賀県では初めて。でも、自分ができるようになれば、うちと同じような小さな蔵で同じような悩みを持っている人の励みになればいいなとも思いました。ほんと一か八だったのです。」

 二年間で基礎を学び、三年目には果敢にも酒造りに挑戦。「本当にこれで酒になるのか」「商品になるのか」、出来上がるまで心の中は不安だらけだったと当時を振り返る。

 「でも、不安の中にも『自分のお酒を造っているという楽しみはありましたね。だから、1本目の洒ができた時は『ほっ』としました。もちろんまだ始めたぱかりですから、酒造りに関して勉強しなければいけないことはたくさんあるのですが。」

 年々、造る喜びとともに手応えを感じるという小松さん、今年の酒を試飲した際には、初めて父親の口から「おいしい」という言葉が出たのだとか。現在小松さんが手がけているのは6種類の酒を年間200石程度。心がけているのは、高い品質と少量生産だ。

 「もちろん経営を考えてやらなければいけないのですが、まずいい商品を造るのが先という考えがありまして。いいものを造るために、いい米を買ってたくさん磨く。確かにコストはかかるのですが、その分、人を雇わず自分でやってしまおうと。うちみたいな小規模なところは、品質を第一に細々とやっていかないと生き残れないんじやないかなと思うんです。だからこそ、たくさん造らない。造りたくないんです。一本々々に思いを入れて、自分の手が届く範囲で造っていきたい。もし万が一人気が出て、飛ぶように売れたとしても、この体制は変えることができないと思っています。」

 酒造りを始めて3年。順風満帆とはいかないまでも、ようやくこれからの方向性がみえてきた小松酒造。新たな酒造りのスタイルで、佐賀の酒にまた一つ、名酒が生まれそうだ。



※プロフィールなどの記述は「月刊タウン情報さが」掲載当時のものです。

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