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No.078


Profile

昭和11年2月16日、現在の中国で生まれる。小学3年の頃、両親の実家であった小城に戻る。佐賀商業高校卒業後、証券会社に勤めるが、昭和32年、当時の夜の繁華街であった佐賀市松原界隈で『バー ロンド』を始める。佐賀では珍しいジャズが聞ける店となり、現在に至る。店には当時から集めたレコード、CD、LDは2000枚以上が残り、音楽好きの客を楽しませている。


若者たちへの
メッセージ

僕の経験から言えば、若い時ってほんと何も分からないんですよね。分からないで、ただがむしゃらにやっていたというか…。だから、いろいろなことに興味を持って、失敗してもいいからやってみるということが大事なんじゃないか。そう思います。


『バー ロンド』 マスター

池田 之一 さん

酒と音楽が好き。単純な理由ですね。

 佐賀市片田江の交差点そばにある小さなバー。中に入ると、心地よいジャズの調べが流れる静かな雰囲気が漂う。ボトルの横には昔懐かしいレコードがずらり。正面には大型プロジェクターがかけられ、ジャズ音楽の演奏風景が映し出されている。

 ここ、『ロンド』は、昭和32年のオープン以来、音楽好きのお客の夜の憩いの場として親しまれている、ジャズ・バーの老舗的存在だ。

 「酒が好きだという単純な理由で店を始めて、音楽が好きだったからレコードをかけて…。気がついたらもうこんなに年月が経っていたんですね」と穏やかに話すマスターの池田之一さんは、今年で64歳になる。

 店を始めた当初は、流行のスタンドバー形式。BGMにはラジオから流れてくる音楽を何気なくかけていた。そのうち、音楽に興味を持ち始めた池田さんは、レコードを通信販売で東京から取り寄せ、お客に聞かせるようになる。この頃、佐賀でレコードといえば、非常に貴重な存在で、初めてレコードの音を耳にするお客も少なくなかったのだそう。昭和40年頃になると、ますます音楽の虜となった池田さんは佐賀で初めてジャズ喫茶&バーを始める。音楽好きのお客にとって昼も夜も音楽三昧の店は格好のたまり場。時折ライヴも行い、当時の佐賀の繁華街を盛り上げる一役も担っていた。

  「サラリーマンが性に合わず、始めたものですから、自分のやりたいようにできるということが楽しかったですね。今はもう体力も続きませんけど、少し前までは休むのもイヤで、年中無休でやっていましたから。」

 平成元年に今の場所に移転。時代の変遷もあって、夜のみの営業となったが、これまでに集めた二、〇〇〇枚のレコードやCDが今も変わらずお客を楽しませている。

  「好きだったから、ずっと続けてこれた」と池田さんは言う。しかし、お客はこう答える。「ここへ来るのは、音楽が好きなだけじゃない。池田さんがよくしてくれるからだよ。お客の話を親身になって聞いてくれる、あの穏やかな人柄が『ロンド』をこれまで続けさせているんじゃないかなあ。」

 音楽のリズムに合わせるように、池田さんのカクテルシェイクの音が鳴り響く。お客の前にそっと置いた淡いピンクのカクテルは、酒と音楽、そしてお客を愛する池田さんの心の色のように思えた。



※プロフィールなどの記述は「月刊タウン情報さが」掲載当時のものです。

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