「タウン情報さが」トップへ 株式会社西日本情報センター
849-0928
佐賀県佐賀市若楠3-1-15
TEL 0952-33-3155
FAX 0952-33-3166
月刊タウン情報さが
tjsaga.co.jp を検索 WWW を検索
トップ>佐賀の人
No.001〜050のリストへ   No.051〜100のリストへ   No.101〜150のリストへ   No.151〜のリストへ

No.073


Profile

元禄初期の頃からこの地に伝わる伝統と技法を継承し、名尾紙を作り続ける谷口手漉き和紙工房の4代目。15歳の頃から3代目の跡継ぎとして和紙づくりに携わるように。現在、5代目になる祐次郎さんとともに現代に息づく和紙づくりに励む。名尾和紙は昭和57年に佐賀県重要無形文化財に指定された。


若者たちへの
メッセージ

今は、若い人たちもインテリアに和紙を使うようになり、たくさんの人がこちらを訪れてくださいます。私は昔堅気の職人で、若者のセンスに見合った新しい感覚の作品を作るのはもっぱら息子に任せていますが、私たちが作った和紙を使ったお客さんから喜んでいただいた時が一番うれしいですね。


伝統工芸師 谷口手漉き和紙工房 4代目

谷口 進 さん

丈夫な和紙を永遠に

 大和町名尾地区に300年以上前から伝わる手漉き和紙。元々山地で農業の生産性が低かったことから山村を挙げて産業に取り組み、当時は「名尾紙」としてその名を高めていたという。戦後、洋紙の普及に伴い、名尾地区はおろか全国的に和紙産業が廃れ、現在和紙を作っているのは、佐賀県内で唯一、名尾和紙の伝統を受け継ぐ『谷口手漉き和紙工房』のみとなった。

 大和町から脊振村に登る道すがらにある小さな工房。4代目になる谷口進さんは、50年以上の経験を積んだ伝統工芸師。五代目になる息子の祐次郎さんと奥様方、スタッフ2人とともに和紙づくりに励んでいる。

 「名尾和紙の特徴は丈夫なこと。だから障子紙や壁紙はもちろん、最近ではインテリアにもよく使ってもらっています。」

 丈夫な和紙づくりのポイントは原料になる楮(こうぞ)。名尾地区内の山で自家栽培した良質の原木でなければ、丈夫な和紙はできないのだという。もちろん原料の質が全てではない。原木を蒸して柔らかくし、清流で洗ってアクを除き、小さな埃を丁寧に取るなど、人間の手でなければできない細かい作業を繰り返し、ようやく手漉きができる状態になる。そして、ここからが谷口さん親子の職人技の見せ場。トロロアオイと言われる植物の根(糊)と水、原料の繊維を『ふね』に入れ、良質の和紙ができるようブレンドする。

 「糊の濃さによって割合が変わりますから、配合はかきまぜた時の重さでその都度調節するんです。だから経験を積まないとできない手漉きを修復するのに約10年かかりますが手漉きよりもむしろこちらの方が難しいでしょうね。」

 そんな職人技とスタッフの地道な手作業によって完成する手漉き和紙は、現在工房隣にある展示館のほか、佐賀市の物産振興センターで購入することができる。

 隣接する展示館に行くと、まず館内のディスプレイに驚く。色とりどりの和紙で作られたのれんやクッション、ルームライト。どことなく古めかしさを感じる「和紙」が見事に現代の生活にマッチし、上品な和室に華やかさが活きている。

 「和紙といえば昔は用途が限られていましたが、丈夫で長持ちという長所を活かして、現代の生活全体に活用できるよう発想を広げています。このクッションにしても、丈夫な名尾和紙だからこその作品。布よりも破れにくいんです。創意工夫という点では、こちらに来られたお客さんから使い方を教えてもらうこともあるんですよ」とは息子の祐次郎さん。

 日本の伝統工芸『和紙づくり』。谷口手漉き和紙工房ある限り、これからも根強く私たちの生活に息づいていくことだろう。



※プロフィールなどの記述は「月刊タウン情報さが」掲載当時のものです。

Copyright All rights reserved. NISHINIHONINFORMATION CENTER CO.LTD.