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No.069


Profile

昭和3年、東京生まれ。京都大学卒業。素粒子物理学の研究に勤しみ、三十代半ばの時に理学博士を取得。その後高エネルギー物理学を広げるために佐賀大学へ。その後も研究を続ける傍ら、佐賀の人たちに科学を身近に感じてもらおうとさが科学少年団を設立するなどの活動を積極的に始める。現在、佐賀県科学団体連絡会会長。


若者たちへの
メッセージ

物理学というものは、ある程度の知識があれば、身近に起こるいろいろな現象の原因が分かってくるんです。最近は受験勉強で丸暗記をさせたりしますが、あんなことで学問がおもしろくなるはずがないんですよ。青春のある時期に一生懸命勉強するということはよいことですが、もう少し世の中にはこんなおもしろいものがあるんだよということを教えたいですね。


佐賀大学名誉教授

伊藤 榮彦 さん

佐賀に第2の科学復興を

 「佐賀に来たのは30年程前のこと。それからというもの、佐賀の風土が体に合っていたのか、すごく住みやすくて居着いてしまいました。佐賀は明治時代の頃は科学の先進地ですからね。それが今ではそんな名声は消えてしまって一地方なんて言われていますけれども。昔の栄光を何とかもう一度復活したいものですよね。」

 佐賀大学の名誉教授であり、理学博士でもある伊藤榮彦さんは幼い頃から科学が大好きで、高校卒業後は京都大学理学部に入学した。当時、ノーベル物理学賞を受賞したばかりの湯川英樹博士が講師をしており、博士の講義に触発を受けた伊藤さんは素粒子物理学を専攻。ビッグバンと言われる宇宙の始まりについての研究を始めるようになったという。

 「実は、ビッグバンが起こった数分後には、今の宇宙をつくる主なパーツは出来上がっていたんです。ものすごい高熱なのですが、実験でもある程度のところまではシュミレーションができるんですよ……」と研究の話になると途端に目を輝かせて語り始める。

 今日までそんな研究に没頭してきた伊藤さんは、物理に関してこんな理念を持つ。

 「日常生活と物理学というのは必ずしも無縁ではないんです。私たちが何気なく使っているハイテク機器も、数十年前に物理学者が見つけた原理に基づいてできているものが多いんです。例えば電子レンジはなぜ物を熱することができるのか。どうして陶器はよくて金属はダメなのか。ガラスはなぜ光を通すのか。考えてみたら当たり前のようで不思議ですよね。そんな当たり前の理由を説明するのが物理学なんです。ある程度の基礎的な学力があれば、ちょっと工夫すれば説明できるんですよ。奥が深いので研究すればするほど難しいところはありますが、おもしろいし、疑問が解けた時はとてもうれしいものです。」

 児童や学生の理科離れが激しいと言われる昨今、佐賀大学においても、物理を専攻する学生が減ってきたという。物理学に情熱を注ぐ伊藤さんにとって、それは懸念すべき問題。そこで、子供たちに科学のおもしろさを教えようと『さが科学少年団』を設立。現在は300人程度の団員がいるという。月に一度の例会では理科教室を借りて実験をしたり、フィールドワークをしたり。時には病院見学にも行ったりするという。

 「科学といっても所詮は人間がやるものですから。幼い命が奪われたり、少年が自殺したりといった事件が絶えない今、命の大切さを感じてもらうということはとても大切なことですよね。」



※プロフィールなどの記述は「月刊タウン情報さが」掲載当時のものです。

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