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No.062


Profile

昭和15年6月11日、東川副町生まれ。3歳の頃、佐賀市大財へ。中学時代から短刀を作ったりと刃物への興味を示し、佐賀工業高校機械科を卒業と同時に、父親から手解きを受けながら、家業である三島刃物製作所で働くように。一級技能師の資格を持つ。


包丁に対する思い

自分がもし死んでも、私が作った包丁は残るんですよね。ずっと残るものであればもっといいのですが、それでも30年か50年はどこかの家庭で私の作った包丁が使われている。だから最近は、自分の作った包丁に名前を入れるようにしてるんですよ。少しでも長くもつようにと思いながら…。


三島刃物製作所 2代目

三島 康之 さん

1本1本に 魂を込めて

 現在、佐賀市内に3カ所しかない刃物製作所のうちの一つ、三島刃物製作所。中に入ると、何十年も使い古された機械が雑然と置かれ、「カンカンカン」と鉄を打つ音と、鉄を焼くための窯の「ゴーッ」という音が鳴り響く。その窯のそばで飛び散る火花をものともせず懸命に鉄をたたき、包丁の形を作っているのが、同製作所の二代目になる三島康之さん。高校卒業以来40年間、毎日々々1000度の火と向き合い、刃物をつくり続ける頑固な職人だ。

 「40年やっていても、刃物づくりは知らない部分がたくさんあって奥が深いなあと思いますね」と三島さん、まだまだ勉強中とは言うものの、店の方針は信用第一、品質に関しては決して妥協を許さず、できる限りの時間と技術を駆使して『きれいな刃物づくり』にこだわる。この、三島さんのいう”きれいな“とは、まさにピカピカに磨かれた刃のことだ。

 昔は手作りが当たり前だった包丁も、今では機械で大量生産ができるようになった。ステンレスや穴あき包丁など種類も増える中、やはり昔を懐かしむ人たちは手作りの包丁を重宝がる。だが、その手作りの味をわざと残そうと「手打ち包丁」と銘打って、槌の跡のついた包丁が売り出されているのを目にする。しかし、実はこの槌の跡、包丁を作る工程では必ずついてくるものなのだそう。

 「槌の跡がでこぼこついていた方が手作りっぽさがあるということなのでしょうが、大切なのは、外見の手打ち風よりも、手作りならではの切れのよさです。刃の微妙な厚さの違いは、機械では限界がありますからね。少しでも長く、握りやすく、そしてよく切れるようにするのが私たち職人の仕事。だからこそ、表面もツルツルになるように手間をかけてたたくんです。一本々々に魂を込めて…。」

 三島さんの魂が込められた包丁は、さすがに切れがよいのか、料理店からの注文も跡を断たず、何代も続けて買ってくれるお客も多いのだとか。

 「1本の包丁は、普通の家庭で使えば30年はもつもの。だからこそ、次の買い替えの時までよく切れる包丁でなければ、せっかく作った包丁もかわいそうだし、何よりも信用を失います。よく切れるものであれば、次に買い替える時に注文がくるだけでなく、その間口コミでたくさんのお客さんを紹介してくださるんですよ。」

 技術の進歩により、量販店で売られている包丁もよく切れるようになった。しかし、三島さんのような職人が心を込めて作り上げた見事な包丁も、家庭に1本くらい置いておきたいものである。



※プロフィールなどの記述は「月刊タウン情報さが」掲載当時のものです。

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