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No.004


Profile

昭和29年、塩田町に生まれる。鹿島高校、福岡大学商学部を卒業後、香川讃岐製麺で半年間修業を積み、昭和52年から、家業の「岳の慣大画めん」の直営店を経営。15年前に取り入れた電子設備のカも合わせて、体によい原材料で手打ちうどん・そばの提供に努めている。


岳の信太郎めん直営店 店長

森 恵子 さん

こういう機会を利用して
訴えるべきではないかと思いました。
水や食べ物の大切さ、
そして本物をみる目を養うということを。

 武雄市のバイパス通りに、何気なく通り過ぎれば気づがないような、素朴なうどん屋がある。それが森さんが経営する岳の信太郎めんだ。この店のうどん・そばへのこだわりは、尋常ではない。ソバは九州産の玄蕎麦を冷蔵保存し、使用毎に自家製粉。モロヘイヤを練り込んで手打ちに、うどんは最高級の小麦粉にかぼちやを練り込んで手打ちにしている。ツユ・ダシは北海道利尻産昆布と、鹿児島枕崎直送の枯れ節で白だしをとり、醤油、ミリン、砂糖で味を整える。もちろん化学調味料や保存料はいっさい使用していない。そして、注文が入ってから麺をゆがくので、コシは抜群なのだ。

 「父が製麺工場を経営していまして、その工場が、設立当初から無添加を守り通しているんです。ですから、ここでやっていることは、基本的に工場の方針そのものなんです。大切なのは、「自分に厳しく、人にはやさしく』。つまり、自分の出すものには責任を持って厳しく追究し、人にはやさしく良いものを出そうということ。もちろん私自身も、料理を提供する側に立って、ますますそのことを実感するようになりました。」

 森さんの父親が経営する製麺工場『岳の信太郎めん 筒井製麺」は、藤津郡塩田町にある昭和2年創業の老舗。この塩田町で育った森さんは、高校卒業後、福岡大学商学部に進学。それまで、箸以外は握ったこともなかったという程料理には縁がなかったが、卒業後、家業を手伝う一環として、「添加物のないおいしい麺を使った直営店を出そう」と香川讃岐麺業へ修業に。半年後、帰佐した時にはすでに店舗が用意されていた。

 最良の材料とともに“挽きたて、打ちたて、湯がきたて”が開店当時からの森さんのモットー。「作るからには本物を。」森さんのそんな考えを助ける最強の味方は「電子技法」だという。

 「今は、本一つをとってもカルキや残留物なんかが入っていて、おいしくありませんし、まして野菜などの農作物は化学肥料や消毒剤なんかが入っているので、とても体にいいものとは言えません。そんな悪い成分を全て、電子を通して取り除いてくれるのが電子技法の設備なんです。うちで使っているものは、水はもちろん、原材料全て、この機械を通して安全な材料にしています。おかげでそれからというもの、大した病気一つしていないんですよ。」

 うどん作りに一番大切な水をはじめ、植物や人間にもいい作用を及ぼすというこの設備を、この店では15年前から使用。しかし、設備を揃えるには資金がかかる。体にいいものを作っても、そうそう価格を上げるわけにはいかない。そしてその結果、採算が合わなくなってしまった。それでも、森さんは妥協を許さない。それが、食べ物を提供している会社の責任という会社の信念であり、森さんの職人魂でもあるのだ。健康に対する関心が高まってきた今、これだけ消費者の事を考えて食べものを提供してくれる店はありがたいもの。もっと、宣伝広告で広げてほしいと思うのだが、森さんは渋る。

 「今まで、ロコミで来てくださるお客様ばかりで、採算度外視でやってきましたから、今から外に向かって宣伝して広げようという気にはなれないんです。数年前までは6店舗あったのですが、手が回らなくなり、閉めてしまいました。あまりお客様が多くなっても、手間暇かけて作っているから、対応ができなくなってしまいうのです。」

 実は、この取材にも、森さんははじめ乗り気ではなかった。自分の店をこれ以上大きくする気はないという意志からの拒否であった。その森さんが取材に応じてくれたのは、食べものに対して、自分や家族の健康に対して、もっと多くの人に関心を持ってほしかったから。

 「こういう機会を利用して訴えるべきではないかと思いました。水や食べ物の大切さ、そして本物を見る目を養うということを。」

 控え目で、あまり表に出たがらない森さんだが、その内に秘める「人々ヘの想い」は大きく、深い。



※プロフィールなどの記述は「月刊タウン情報さが」掲載当時のものです。

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