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No.001


Profile

1937年、長崎生まれ。厳木高校卒。幼少から高校時代までを東松浦郡厳木町で過ごし、佐賀・福岡で6年間会社務めをした後、東京のコーヒー専門店ヘ。20年間職人としての修行を積みながらノウハウを習得し帰郷。現在、「自家焙煎こうひいや竹嶋」を経営し、佐賀の人々においしいコーヒーを提供し続けている。


自家焙煎こうひいや竹嶋

竹嶋 定男 さん

最低10年は経験を積まないと
コーヒーを焼かせてもらえなかった。

 「佐賀に戻って来たとき、コーヒ−に対する認識があまりにも低くてびっくりしました。」開口一番にこう語った竹嶋さんは、コーヒー職人歴35年のベテラン。現在、南部バイパス沿いで自家焙煎のコーヒー専門店を奥さんと2人で営んでいる。選ぴ抜いた最上の生豆を毎朝何時間もかけて焼き、煎リたてのコーヒーで客をもてなす。「お客の『おいしい』と言ってくれるセリフが一番の喜ぴです」と微笑む目の奥に、凛とした職人魂を感じる。

 竹嶋さんとコーヒーとの出会いは、今から三十数年前にさかのぼる。幼少から高校時代までを厳木町で過ごした竹嶋さんは、6年間の会社勤めを経て、知人の紹介で東京のコーヒー専門店に就職した。当時は一般家庭への普及はほとんどなく、もちろんコ‐ヒーメー力ーやフィルターもない。コーヒーを焼いたり沸てたりする技術を得るには、相当な修業を要したと言う。

「それまでコーヒーのコの字も知らなかったわけですから、初歩からの勉強でした。今は簡単に喫茶店を経営して、『自家焙煎』という名のコーヒーを出したりしているようですが、あの頃は最低10年は経験を積まないとコーヒーを焼かせてもらえなかったんです。」と当時を偲ぶ。

 15年後、ようやく営業を任せられるようになった竹嶋さんは、次第にコーヒー職人としての誇りと自信を身に付けていった。そんな東京での修業時代を経て、15年前に帰郷。冒頭の台詞のような佐賀の現状をくつがえすべく、コーヒー専門店の開店と共に、ミニコミ誌へのエッセイ掲載を始めた。もちろん内容はコーヒーについて。竹嶋さん自身が身を持って経験したことを事細かに執筆し続け、佐賀の人々にコーヒーのおいしさを訴え続けた。ところが、その5年後にミニコミ誌が休刊、しりきれとんぼ状態だったが、やむなく諦め、それからも地道にコーヒーの焙煎に励んだ。竹嶋さんと佐賀の人々とのミニコミ誌を通じての絆は断ち切れてしまったものの、店に来る一人ひとりの客に、コーヒーのおいしさをひたすら伝え続けた。『本物は必ず認められる』とは、よく言ったもので、竹嶋さんの焼いたコーヒーを鼻と舌で味わった客の中から、買い求める固定客は増加する一方。一般家庭からオフィスまで、注文が相次ぎ、店頭販売に合わせてバイクでの宅配も始め、客との強い絆をつくっている。

 念のために表記しておくが、“自家焙煎こうぴい竹嶋”は、喫茶店ではない。喫茶コーナ−はもともとコーヒーのおいしさを知ってもらうために造ったもので、店の経営は自家焙煎のコーヒー豆の販売を主としている。だから、ジュースや他の飲料と比べて、コーヒーの値段はブレンドで280円とかなりの安さだ。コーヒー豆に関する気の配りようは並大抵でなく、豆の品質はもちろん、新鮮なもの以外は一切出さないのは職人としては当たリ前のこだわりだとか。また、玄関口の脇にある焙煎室には、生豆の正袋が山積みされていて、ここで焼かれる豆の量は、1日約10キロ。主に販売用だが、喫茶コーナーでは、1人分のコーヒーに20グラムもの豆を使用した、コクのある香ばしいコーヒーがいただける。

 「コーヒーが本当に好きなお客には、この店の本意を分かってもらえるのですが、中には喫茶店と間違えて文句を言われる方もいらっしやるんですよ、対応が悪いとか何とか。私が店内で自分の好きなラジオなんか鳴らして好き勝手していますし」と苦笑いした後、「しかし、コーヒーがまずいという文句は言われたことはないですよ。」と誇らしげに付け足す。

 今、竹嶋さんの目的は『佐賀の人たちに、家庭でもおいしいコーヒーが飲めることを知ってもらうこと』。喫茶店で本格的な自家焙煎を飲むと高くつくが、自分で入れると安くつく上に、自分のオリジナルのコーヒーが味わえるという思いからだ。その目的達成のために、店に来た人で希望する人には、コーヒーの沸て方を教えている。

 「要は慣れることだと思います。コーヒーを入れるというと、どうしても構えてしまう人がまだまだ多いのですが、お茶の入れ方なんかは、代々家庭で受け継がれてきたものでしょう。コーヒーも(基本を覚えて)ずっと入れていれば、喫茶店よりもおいしいコーヒーが自分で沸てれるようになりますよ。」



※プロフィールなどの記述は「月刊タウン情報さが」掲載当時のものです。

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