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連載 第16回
「読者の声+編集長コメント」

執筆者

龍 信廣 Ryu Nobuhiro タウン情報さが・ピープル編集長 ≫詳細


 原子力の連載を始めて(平成24年4月25日)15回になる。3.11の地震津波によって起こった福島の原発事故はもはや元に戻ることはできない。現在、日本に原発は54基ある。そのうち関西電力が夏場の電力不足を理由に大飯原発3号と4号を再稼働させた。つまり52基は稼働していない。
原子力連載の目的は、重要な課題でありながら、無知のままではいけないと思ったからだ。特に佐賀には玄海原子力発電所がある。他人事ではすまされない。そこで今号は読者の投稿やヒヤリングをもとに原子力に対する読者の意見をまとめた。
 質問は、原子力の連載を始めて1年になるが、
①原発をやめる。
②原発を続ける。
③わからない。の3つに関して読者の意見をまとめた。
1.原発をやめる
●福島の原発事故を見て絶対に原発はやめるべきだと思います。地震や北朝鮮のミサイルなど色々な危険があると思います。事故は起きてからでは遅いと思います。原発マネーなど色々な問題はあると思いますが・・・。未来の子供たちのために二度と福島の事故のようなことは起こしてはいけないと思います。
(良太くん)

●原発はやはり恐い。福島でよく分かるとともに害があるのはよくないと思います。それが安全かどうかの情報も本当に信じていいのか分からない感じでもあります。急に全部をとめると電力がなくなるのもいけないのでその間に風力発電をあちこちに増やして色んな他に開発できるものがあれば新しく開発してまかなえるようになってから電力をなくしていけばいいなと思っています。
(大福描)

●福島の原発の悲惨さをテレビや新聞、ネットで目の当たりにして絶対にやめるべきだと思っています。経済優先の日本は間違っています。政治家もおかしい。今の中国の環境が大変になっているように、日本も狂っていると考えます。喉もと過ぎればすぐ忘れてしまう日本人の悪い癖を直さなければなりません。
佐賀発のこのページが日本の起爆剤になればいいですね。
今の学生は無関心だし、大人も他人事のように生活をしている。二度と繰り返してはいけない失敗をここで止めましょう! (Youちゃん)

●将来のことを考えるとやめるべきだと思う。奇形児などうまれたらかわいそうである。
(ハハ)

●地震国の日本のわが国はまた大地震が起きて福島の様な状況になっては困る。
可能性が十分あるのにどうしてやめることを前向きに考えようとしないのかおかしい。廃炉に長い歳月がかかろうともやめることをまず決め、進んでほしい。
(はるる)

●危ないものは使わない。気をつけて使うという手もありますが、まだ安全管理が十分でない。東北の地震のようなことが起こるとも限らないし。1人の節約意識を高めていくことが必要ですが。
(yume)

●即刻中止すべきである。経済のためなんぞ悠長なこと言ってはならない。駄目なのは駄目なのである。ドイツは流石に判断の正しい国だ。ドイツ国民は歴史を踏まえた判断をしている。それに控え日本はどうだ。世界で唯一原子爆弾を受けた国なのに他人事である。戦後の体たらくの教育がこうしたのだろうか。日本の誇れる道徳や恥や武士の精神はどこに消えたのだろうか。

アメリカを中心に大国先進国は原子力発電を我がもの顔で利用しているが情けない。一旦ぬるま湯に浸かってしまった人間はもう駄目なのか。そのうちきっと大事故が起こる。大量の被害が出るまでは無理だろう。情けない日本だと思う。
(久留米市民)

●原発は将来的に動かしてもいいと思うが、事故が万が一起きたときに100%安全に収捨出来るメドがついてからでしょう。
今はこれまでのエネルギーと環境に問題のないエネルギーで補っていくべき。原発がなくても生活に大した支障はないし、放射能事故を考えると、やめるべきだと思う。
(諸富町 50代 男性)

●使用済み核燃料の再処理の見通しがない。このまま進めば、小さな日本はどうなる。撤退すべきである。
(大淵)

●もし戦争になり、原子炉が狙われたら日本は終わりになります。尖閣の問題や北朝鮮の事を考えると廃止して欲しいです。
(A子)

●やめるべきだと思います。
原発は私たちの生活を便利にしてきたので、正直完全に廃止したらどうなるだろうと考えてしまいますが、そもそも地球上の生物には不要のものです。動かしている限り何万年も処理できないゴミが出続けるし、万が一、事故や戦争が勃発し、世界中に放射能が広がりかねません。そうなると、人間や動植物は生きていけない。そんなものはやはり、地球にないほうがいい。
しかし、生物に害を及ばさないエネルギー開発を一刻も早く見つけてほしい。
(佐賀市 40代 女性)

●このコーナーで原子力の恐ろしさを感じました。玄海原発に災害が起きてしまったら…と思うとぞ〜っとします。今、高齢者の方々をお世話させていただいている職場にいますが、もし、災害が起こった時、果たして1人残らず無事な所に避難させることができるだろうか…。と、とても心配です。シュミレーションもまだ何もしていないので不安一杯です。原発はやめてほしいと思います。
(姫と龍のチャーチャン)

●私たちは今まで確かに原発のおかげで便利な生活を手に入れてきて、私もその中で生活をしてきましたが、福島の事でやはり恐怖を感じました。やはり便利でも作ったり作業するのは人間。いけない事ですが失敗や今回のように天災で…と言う事は必ずあります。便利だけれどその代償が大きすぎます。特にこれからの子供たちの体や将来が心配です。チェルノブイリの事故は随分昔の事ですが、今だに苦しんでいる方、そしてその子、孫へと続く。日本もこれを機にエネルギー問題を考え直す時期と、子供を持つ私は思います。
(みゆもん)

●日頃電気の恩恵を受けているので大きな声では言えませんが、私が物心付いた頃、家にあった電気製品と言えば、棚の上にラジオ、天井に蛍光灯位でした。時代がアッという間に進んで、明るく暮らしやすくなるばかりでしたが、原発事故から思い知らされました。20年も30年も住めない土地、癌のリスク、使用済みの核燃料、人の手で作った物に人が滅ぼされる時が来る。なんと恐い事でしょう。原子力に頼らない方法を頭の良い方、どんどん知恵を出して下さい。
(マーちゃん)


2.原発を続ける
●原発があってこそ、仕事が成り立っていると思う。特にここずっと仕事がなくてプラプラしている人がたっくさんいます。(男性の方)主婦は大変だと思います。
原発がなくなってはいけない!あってほしいです。何かと・・・?!
(輝ちゃん)

●今は火力発電で電力をまかなっているけど、夏場になると火力発電だけではまかないきれないと思うので原子力発電所を動かせるなら動かしたほうが私はいいと思う。
(よしのママ)

●液化ガスの価格上昇や燃やすことでの大気汚染、地球温暖化等考えるとリスクもあるが、これまでの導入経過を振り返ると仕方ないのではないでしょうか?もちろん節電しなくてはいけませんし、次世代の電源の確実なものが見つかるまでは・・・。
(替芯)

●九電は今月から電気料金を値上げしています。火力発電所の運転がコストが高いために家庭にも料金を上げるようになっています。このままだと九電は上げ続けるように思えてなりません。原発の事故のこともありますが、今は電力にしても6%高くらいならそれで落ち着いてもらいたい気持ちです。
原発が動く事になっても電気料金が上がらなければいいと思う。
(よしのママ)

●でもやめたら今迄原子力でまかなっていたことを何で補うのですか?
続けるとしたら原発事故がまた怖いです。私はもう50才過ぎているから心残りはないですが、子供たちや若者はちょっと耐えがたいですね。被曝者にならないように続けるのだったら考えてほしいです。また原始時代のような生活に戻れって言われても正直困りますよね。こんなに便利になったのだから・・・。でも実際どうしたら良いのか、命ある限り考えたいです。
(ちび丸ちゃんの母)

●これだけ長い期間、討論で重ねても原発廃止にいたらないのは「続ける」事と同等のデメリットが多数あるのでは、と感じています。私はその双方のデメリットの数と中身を把握できていません。もし原発を廃止した場合、それによって生じた問題点というのは日本国民・地域住民にとってどれ程のものになるのでしょうか?
(もーちゃん)

●事故の事を考えると反対ですが、地球温暖化を考えると今は仕方ないかもしれない。ソーラーシステムや風力発電、地熱発電、海洋発電等を早急に開発して欲しい。国や地方、企業は積極的に取り組んで欲しい。
(Y子)

●簡単に撤去できない。使わなくても維持費がかかる。動かしていた方が管理がおろそかにならないんじゃないでしょうか。配電盤をネズミにかじられたらいけないので。
(田舎もん)


3.わからない
●原子力のおかげで今まで発展してきました。おかげで快適な生活ができました。これからは生活が不安定になりますので、将来のことを考えるとどちらがいいのは分かりません。私も40年間電力会社にお世話になり、生活ができていました。これからの子供たちのことを考えるとかわいそうになります。いい世の中になるでしょうか?
(チチ)




読者投稿で集まった約50通のハガキ



毎月1回(約3時間)原発についての討議を行っている






なにも言わない人々
 タウン誌を読んでいただいている読者から51通のハガキが届いた。(有難ういございます)投稿の募集内容は①原発をやめる②原発を続ける③わからない、の三択であった。結果は①37枚②14枚③1枚だった。②は電気料金が上がるのは困る。仕事がなくなる。原発なしでは成り立たない等であった。しかし①に近い反対が多いように感じた。③は掲載の通りである。
 あと、会社経営者、主婦、会社員、読者、店員さんなど40人にヒヤリングを試みた。これもハガキと同じで大半が原発反対であった。しかし、アンケートには応えてもらえるが、名前を出して反対意見を唱える人は僅かだった。反対をすれば回りからどんな目で見られるのかが不安だから「匿名で」の条件が多くあった。波風をたてないモノをいわない人々の多さに驚いた。


自分たちの命をどうやって守る
 全国にタウン誌がある中で、原子力を連載している雑誌は他に見ない。なぜ、「タウン情報さが・People」に原発の記事を連載したかには理由がある。私自身、原発に関しての知識がなかった事と、知り合いや知人に尋ねてもわからないという返事だったからだ。もしかしたら、読者の皆さんもあまりご存知ないと思ったのである。
 2011年3月11日に東日本大震災は発生した。すさまじい巨大地震と大津波、それに伴う福島の原子力発電事故と放射能漏れ。特に放射能漏れはその恐ろしさを教えてくれた。被災地の人々は故郷を離れ家や仕事を失い、帰ることすら出来ない状態になってしまった。いつ帰れるかの目処は全くついていない。「すでに起きてしまい、もはや元に戻ることができない変化、しかも重要な影響力を持つことになる変化でありながら、まだ一般には認識されていない変化を知覚せよ」とはドラッカーだ。
 今回の原発事故で私達は何を学んだのだろうか。日本は世界で唯一原爆を落とされた国だ。しかも、広島と長崎に2発も落とされている。ここでは多くの死者と被爆者を出し、二度と繰り返してはいけない事を学んだ。今ある原発は、平和利用という名のもとで受け入れたものだ。この平和利用であるはずの原発が「一番大切な命を奪うもの」と知った時、私達市民はどうやって自分たちの命を守っていけばいいのだろう。だれか守ってくれるだろうか?


他人依存からの脱却
 チェルノブイリ事故は日本から遠く離れたロシアで起きた。福島は佐賀・久留米から離れた県にある。では、玄海原子力発電はどうだ。もし、ここで事故が起きたらどうなるか。
 そんなこと考えたくもなく、それより「電気料金が上がったら困る。安全基準に則っているから大丈夫。そんな度々事故は起こらない。佐賀は地震が少ないから・・・」こんな声が聞こえてくる。福島を機に、ドイツは2022年までの段階的な脱原発を決めた。ほとんど地震がないというドイツが脱原発を実施し、日本は踏み切れないでいる。国民の考えが通るようで通らないのが日本なのだろうか。


経済優先か命優先か
 今の政府の掲げるエネルギー政策は、原発を安全に続けるにある。「事故は起こらない」という安全政策のもとで進めて行くのだろう。ソーラーシステムや巨大な風車、地熱、水力発電、火力発電などの転換も至る所で行われてきてはいる。このようなものが、今後のエネルギー源に取って代わるのかも知れない。しかし現時点では、原発は危ないとわかっていながらも、そのエネルギーをこれからも活かそうとしている。「人の命」より「経済優先」なのだ。


学びで日本を変えよう
 今回の福島の放射能漏れで学んだのは「人の命を優先するものはない」ということではなかったろうか。原発が「一番大切な命を奪うかも知れない」と知ったからには、安全性が立証できない技術は選んではならない。そのためには、小さな力のない私達はいま何をしなければならないのか。そう「学習したらいいのだ」。ドラッカーの「まだ一般には認識されていない変化を知覚せよ」なのである。学びが我々の考えと行動を変えてくれる。タウン情報さが・Peopleは地元の食情報やイベントなどが盛り沢山だ。その中で堅いページになるが「原子力 あなたはどう向き合いますか」に目を通していただきたい。飛ばしがちな楽しくない内容だが、この学習で日本を変えることができるかも知れない。たった一人のあなたの学びが日本を変える力になると思う。


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